肘の疲労骨折ってあるのか？

野球において、肘の障害は避けて通れないところがあります。

特に投手は、投球するたびに肘に負担がかかるため、よく野球肘といった障害に悩まされる人も少なくありません。ただ、疲労骨折により肘を故障するという話は、あまり聞いたことがないのではないでしょうか？

実は、疲労骨折というのは、肘でも起こりえるものであり、プレーする上で十分に認識しておかなければならないものなのです。

肘の疲労骨折とは具体的にどういったものなのか、説明していきたいと思います。正式名称は「肘頭疲労骨折」と呼ばれております。肘頭とは、肘の骨と骨がくっ付いている部分の先端です。

ボールを投げる時に、勢いを付けて肘が前に出てくるのですが、その際に肘関節の内側に外反ストレスがかかってしまい、関節の内側に開こうとする力がかかります。ここで生じるストレスが、肘の内側の靱帯に影響を及ぼし、野球肘といった障害が発生します。肘頭疲労骨折も、同様にこのようなストレスから生じるとされているのです。

これは、レントゲンを細かく撮ってみなければ、なかなか気付くことができません。例えば正面から撮った写真を見ても、異常に気付くことはできません。

側面から撮ることで、ようやく異常の原因となっていそうな箇所を見つけることができ、MRIで詳しく検査して、初めて疲労骨折と判明するのです。

もし疲労骨折になってしまった場合は、直ちに投球を辞めるようにしましょう。
 
肘に必要以上に負担がかからないフォームに矯正したり、腕の筋肉トレーニングやストレッチをしながら、徐々に痛みが治まっていくのを待ちましょう。

痛みが柔らかくなってきたら、医師と相談の上、軽めのキャッチボールがから始め、徐々に投球を開始していきます。ほとんどの人が、こうしたリハビリテーションで症状は治っていきます。

肘の障害の中でも、肘頭疲労骨折はそこまでメジャーな症状ではなく、めったに起こることはありません。

ただ、こうした症状があるということを頭の片隅に入れておけば、もし実際になった時に早期発見できる可能性が高くなります。もし肘に違和感を感じたら、早めに医者に診てもらうことが大切です。