野球選手の腰の痛み

野球は全身を使ったスポーツです。投げる、打つ、走るといった複数の動作を行うが故に、さまざまな箇所を故障しがちになります。

そして野球選手に多いのが、腰痛持ちの選手です。

腰は体の中心となる部分なので、ここを痛めてしまうと満足のいく動きができなくなり、先ほど挙げた3つの動作全てに影響を及ぼします。一体何が原因で腰痛を抱えてしまうのでしょうか。

原因の一つは、オーバーユースによるものです。毎日の練習により腰回りが酷使されることで、腰痛へと発展してしまうことになります。腰や、脚周りの筋肉の疲労、腹筋と背筋のバランスの悪さ、適度なストレッチや休息の欠如、などが原因となり、徐々に腰の状態を悪くしていってしまいます。

例をあげると、腹筋と背筋は、30対70の比率で体重を支えております。もし腹筋の力が低下してしまったり、疲労がたまってバランスが悪くなると、この箇所の血流が悪くなります。

血の流れが悪くなると筋肉が硬直しやすくなり、それに伴って腰椎の前弯角が増強され、やがて腰痛が起きてしまいます。
他にも、接触プレーによる外部からの衝撃や、無理な動きによって捻ってしまうなど、突発的な怪我によって腰を悪くしてしまうことがあります。

また腰痛持ちになりやすい選手の特徴があります。例えば、体幹の筋力が弱い人、腰回りや股関節の筋肉が硬い人などは、腰を痛めやすくなります。

普段から、長時間同じ姿勢を保つことが難しい人や、腰が重いと感じたりだるいと感じるなどの自覚症状がある方は、より腰を悪化させてしまいやすくなります。

では、腰痛の治療はどうすればよいのでしょうか。一般的な方法としては、鍼治療やマッサージとなります。腰を痛めた方は、筋肉が硬直していたり、骨盤が歪んでしまっている方も多くいらっしゃいます。鍼治療で筋肉の疲労を和らげたり、マッサージによって骨盤を強制するなど、痛みの原因を根本から解決していく必要があります。

しかし、野球選手でしたら普段から自分でできることとして、体幹を鍛えるトレーニングや、ストレッチ、腰回りを温めるなども大切とされております。専門の治療院ではそういった指導も合わせて行っております。

もちろんそれ以外にも、しっかりとした休養を取ること、タンパク質やビタミンB群などの栄養素を補給することも重要な要素となります。

腰が痛むということは、全ての動きに影響を及ぼしてしまいます。それは時に選手生命を短くしてしまったり、野球を断念せざるを得なくなることにもつながります。

腰痛が始まってしまったら、すぐに激しいトレーニングを中止して、専門医などでしっかりと治療を行い、早期改善を心がけるようにしましょう。